若者たちが軽い気持ちで犯行に加担している――。深刻な被害が続く特殊詐欺のそんな傾向が、昨年12月24日に公表された犯罪白書から浮かんだ。こうした少年たちの立ち直りに取り組む少年院では、自らの行為の重大さを理解させ、再び手を染めることのないよう特殊詐欺専用の矯正プログラムの導入が進む。
「もう死ぬしかない。150万ダマサレタ」
昨年11月下旬、東日本にある少年院。教室の画面に被害者の手書きのメモが映し出された。特殊詐欺に特化した矯正プログラムに基づき、被害の実態を伝える指導が行われていた。
教官は、家族から責められるなどの「二次的被害」を受ける被害者もいることを2人の少年に説明し、どう感じるか問いかけた。じっと耳を傾けていた少年(19)は、「お金だけじゃない苦しみも与えてしまった。自分がやったのはそういうことなんだと気づくことが、二度と同じことを繰り返さないために大事だと思いました」と答えた。
この少年は、家出中に頼った幼なじみに特殊詐欺に誘われた。先輩を紹介され、「先輩の先輩みたいな人」からスマートフォンを2台渡された。
スマホに来る「本社」の指示…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル